エンジニアが是非とも読んでおきたい技術書を15冊選んで、特徴を記載します。どれも読み応えがあり、値段以上の価値を持たさしてくれる傑作ばかりです。
コンピューター・サイエンス
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者
- 噛み砕いた分かりやすい文章なので、初心者でも安心
- 豊富なイラストで視覚的に理解できる
- 現場で分からない言葉が出たら、辞書として使える
- 基本情報技術者試験対策としては、この一冊では不十分。問題集が別途必要。
私が文系の学生からエンジニアになってから、最初に読んだ技術書です。僕のエンジニア人生はこの本から始まりました。
当時会社では、「入社までに基本情報処理試験の勉強をしておいてね」という宿題があり、それの参考書として買いました。
この頃はITの知識は何もなかったけど、分かりやすい平易な文章と豊富な絵で、初心者でも理解がしやすいです。
今でもたまに「聞いたことがあるけど、なんだっけ?」という言葉が出てきたら、辞書的に使って読んでいます。
エンジニアになったばかりで、コンピュータ・サイエンスのことがまだあまり分からないという方には、間違いなくオススメできる名著
「これからエンジニアになりたい」方にピッタリな一冊。
DB
達人に学ぶSQL徹底指南書 第2版 初級者で終わりたくないあなたへ
- 初心者レベルから中級者レベルに無理なく、到達できる
- 複雑なSQL文が書けるようになるので、現場で活躍できる
- SQLは陳腐化しにくいので、一度学べばずっと使える
- SQLが完全に未経験だと、理解できない
- イラストが少なく、文字が多め
現場でSQLを書き出して、何となく簡単なものは書けるようになった。
でも、もっと複雑なSQLを書く必要が出た時に買って読んだ技術書。
ということで、「SQLについて初心者から中級者を目指すタイミングで読んだら凄く良い」と思います。
「Rubyが良いとか、PHPが良いとか、やっぱJavaだよね、とかPythonが来ているらしいとか」、プログラミング言語は流行り廃りがあったり、現場によって使う言語が違ったりで、これまで学習した知識を捨てないといけない場面が出てきます。
もちろん一つの言語をよく知ってたら、他の言語に移っても考え方は同じなので、使える知識ですが。
しかし、SQLを使わない現場は多分ないと思うので、一回勉強してしまえばずっと使える武器となります。
この辺の詳しい話は以下で詳しく記載しています。
達人に学ぶDB設計 徹底指南書
- DBの論理設定、物理設定のベストプラクティス、アンチパターンを理解できる
- SQLの基礎が分かれば、読んでいける。平易な文章だが、深い内容。
- 陳腐化が起こりにくいので、知識を一度習得したら、長く使える
- DBが完全初心者の場合は、他の書籍がおすすめ。
SQLは書けるが、DB設計は初めての時に、1番読んだ技術書。
SQLを書くだけではなく、外部設計から詳細設計も自分でDB設計をやってみたいという人には非常にオススメな技術書です。
Lunux
新しいLinuxの教科書
- Linux初心者でも安心。簡単な文章で丁寧に解説
- 「なぜ?」に深堀りしているから、応用力が付きやすい
- Linuxは陳腐化しにくいので、一生使えるスキルになる
- コマンドを自由自在に使えるようになりたいなら、他の書籍が必要
エンジニアになって3年目くらいの時に、先輩が作った手順書をそのままポチポチとコマンドプロンプトで動かしていると、よく知らないコマンドがたくさん出てきました。
今まで読んできた技術書にはこのコマンドのことは書かれていなかったので、「これ何だ?」と思いました。
しかし正直に告白すると、当時はプログラミングの勉強で手一杯だったし、このコマンドを覚えてもどのように使ったら良いのか分からなかったので、一旦放置していました。
これが私とLinux(のコマンド)との出会いでしたが、経験を積むと、Linuxが必須科目である理由が理解できました。
- 雑多な作業を自動化するスクリプトが書ける
- Dockerをいじる時に書く、Dockerfileが書ける
- AWSのCodeBuildでビルドするために書く、buildspec.yamlが書ける
Linuxのコマンドを覚える作業は使い所が分からないと非常に地味で退屈な作業だと思います。
自分もそう思っていました。
しかし、Linuxの知識はエンジニアとして働くために必須科目です。
その時に勉強した技術書が以下で、VMで仮想環境を作って、技術書に書かれている通りにポチポチと練習したことを覚えています。
キャリアのどこかでは必ず必要になってくると思うので、是非早めに勉強しましょう!圧倒的にオススメです!
AWS
まず前提として、「クラウドって何?」って言う方は以下の記事で分かりやすくまとめているので、是非読んで頂けたらと思います。
Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 改訂3版
- AWSの初歩的な知識を学びながら、インフラについても学べる
- ハンズオン形式なので、眠くなりにくい
- この書籍でやった内容がAWS認定試験にもそのまま出題される
- インフラの知識があれば、学びが少ないかも
AWSを業務で使うことになった2019年に買って読んだ技術書です。
この本は何が良いかというと、「ネットワークとかサーバー構築とかインフラの知識も最初から説明してくれて、AWSを使ってハンズオンで学べるところ」です。
自分は長らくオンプレミスのアプリエンジニアだったので、インフラはインフラエンジニアが構築していたし、業務で使う機会がありませんでした。
しかし、AWSを使うようになってからはアプリエンジニアとインフラエンジニアの境界線が曖昧になって、自分でインフラ設計や構築もしなくてはいけなくなりました。
コードでインフラを構築出来て、オンプレミスよりも一般的にはインフラ構築の工数が少なくなりがちなクラウドの特性上、この境界線が曖昧になっていく現象は、あるあるネタなのかなーって個人的には思っています。
AWSを使って、インフラの知識習得したい人にオススメ
AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー
- AWSの設計思想やサービス概要が、豊富なイラストでまとまっている
- AWS公式のページを読んでも理解できないなら、おすすめ
- 合格のために、問題集が別に必要
AWSを勉強し始めて、どうやって知識をつけようかなと考えた時に買った技術書です。私はこの技術書を読んで勉強して、AWS認定クラウドプラクティショナー認定試験に合格しました。
この技術書はAWSの設計思想やAWSのサービスの概要が非常に良くまとまっています。
まさに、AWSを初めて勉強する人が最初に買って勉強したい技術書だと思います。
AWSの公式サイトでは無料のホワイトペーパーという公式リファレンスやBlackBletというホワイトペーパーよりもこう少し噛み砕いたペーパーがありますが、初心者の方が最初にここから情報を拾っていくのはなかなか難しいのではないかと思います。
認定試験を受験する人にはもちろんですが、最初にガッとAWSの全体像と概要を掴みたい方は非常にオススメだと思います。
AWS認定アソシエイト3資格対策~ソリューションアーキテクト、デベロッパー、SysOpsアドミニストレーター~
- AWSサービスの要点がイラストでまとまっている
- AWSの各サービスが横串でまとまっているので、公式ドキュメントで見えにくい関連性が見える
- 合格のためには、別途問題集が必要
- 広く、浅くなので、一冊では情報量が不足している
この書籍は、アソシエイトレベルのAWS認定試験を受ける時に買いました!
上記のクラウドプラクティショナーと比べて、もう少し詳しいAWSサービスの内容が書かてています。
それが凄くまとまっているなーという印象で、正直あまり期待をせずに買ったのですが、非常に当たりでした!
どうまとまっているかと言うと、例えばセキュリティという観点で、横串で色々なサービスが比較されていたりと、公式のドキュメントを使っているとなかなか見えてこない関連性が情報としてまとまっていると言う点が個人的には非常に良かったです。
AWS認定を受けたいという方は勉強するのに、とてもおすすめの書籍となっていますので、是非手にとって読んでみて下さい!
認定試験を受験する方はもちろん、AWSサービスの特性を横串で確認したい方にもオススメです
AWS認定試験については、以下の記事でもまとめています。
Amazon Web Servicesインフラサービス活用大全 システム構築/自動化、データストア、高信頼化 impress top gearシリーズ
- ハンズオン形式で学べる
- インフラのコード化、運用タスクの自動化など、現場で喜ばれる技術が学べる
- 初心者には難しい
これはAWSの色々なサービスを組合わたアーキテクチャを勉強したり、ハンズオンとして実装がやってみたくて買いました。
この技術書にはインフラのコード化とか、運用タスクの自動化とか、現場に持っていったら喜ばれるような技術についてたくさん書かれています。
AWSの知識がついたら、手を動かして、「自動化やモニタリング」と言った、もっと実務的な実力を伸ばすためにオススメの技術書です
プログラムへの理解を深める
プリンシプル オブ プログラミング 3年目までに身につけたい 一生役立つ101の原理原則
- プログラミングのベストプラクティス集として、辞書的に使える
- 一つの項目が2ページで説明されているから、空き時間に読みやすい
- 若手のエンジニアに指導する時に利用できる
- 具体的なコード例がないので、初心者の場合、考え方が分かっても、実践方法が分からない時がある
「3年目までに」と書いていますが、どのキャリアにいる人が読んでも何か得られるものがある技術書です。
これはプログラミングにおけるベストプラクティス集だと個人的には思っています。
例えば、KISS(Keep It Simple, Stupid)とかDRY(Don’t Repeat Yourself)とか、そういうコーディング時の考え方が知れます。
プログラミングの基本文法が手に馴染んできて、初級者から中級者になりたい時に読むと非常に良いと思います。
新装版 達人プログラマー 職人から名匠への道
- ソフトウェア・エンジニアのプロの姿勢が学べる
- プロとしてのモノの考え方が身につく
- 現場にマネしたい先輩や上司がいないなら、絶対に読むべき
- ある程度、経験を積んでいないと、理解・納得できない項目があるかも
上記の技術書とカテゴリは被りますが、もう少し開発者の達人として、どうコードの問題に立ち向かうか、どうプロジェクトの中で立ち回るかという点に主眼を置いている書籍だと思います。
特に「割れ窓理論」という1つの小さな問題をずっと放置しておくと、解消しようという気持ちがなくなっていき、どんどんと問題が増えていくという理論があります。これはずっと心に残っていて、技術的負債は出来るだけ持ち越さないようにという意識を植え付けられました。
読破しなくても、「手元に一冊置いて、悩みがあれば辞書的に解決方法を探す」という使い方もOKです
プロジェクトマネジメント
カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
プロジェクトで働いていて、「何かこのチームはおかしいので、自分から変えたいけど、自分一人だと何をしたらいいのか分からない」と思ったことはありませんか?
この書籍は、「たった一人から小さな改善活動を初めて、最後は一丸となったチームを形成するまでの事例やテクニックをストーリー仕立てで読みやすく書かれた名著」です。
段々と個人がチームになっていくジャーニーの過程が非常に面白く、自分もこんなチームを作ってみたいという気持ちになります。
「アジャイル開発をやってみたい」という方に、非常にオススメの一冊です。
問題意識があるけど、なかなか動けない人には大きなヒントになることはもちろんですが、これからチームをマネジメントする人や、今チームビルディングをやり始めている人にも、ぜひともオススメしたい一冊です
チーム・ジャーニー 逆境を越える、変化に強いチームをつくりあげるまで
この書籍は上記の書籍の続編です。
前著と比べると、より踏み込んで「自分たちで改善を繰り返しながら、主体的にチームの問題が解決出来る自己自律型のチームをビルディングするための道筋」をストーリー仕立てでお話してくれる書籍だと思います。
この書籍では、アジャイル開発の手法の紹介もしています。
アジャイル開発において、「チームがこういう状態だったら、こういうワークショップをしたり、こういう考え方をしたら良い」というような事が記されています。
ストーリー仕立てになっているので、読みやすいのはもちろんですが、読んでいると、「あぁー、自分のチームは今、この状況だ」と重なるところが出てきます。
チームの課題を再認識し、次に取るべきアプローチが分かるので、チーム運営をする方や、チームの中で自分の役割を確立したい人には非常にオススメです
仕事が楽しくないという人も、自分の役割をチームの中で持ってチームの中に自分の居場所を見つけられたら、楽しくなってくると思います。
アジャイルサムライ――達人開発者への道
これは私が、現場でアジャイル開発を採用した時に読んだ書籍です。
アジャイル開発の書籍ですが、プロジェクトに対する考え方とか、顧客との関わり方とか、アジャイル開発をしていない人にも、仕事の視座が上がるヒントがたくさん記されています。
アジャイル開発について、もっと詳しく知りたい方には、以下の記事がおすすめです。
エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
この書籍は 当時のPMが「想定外やー!」と叫ぶことが多く、なぜ想定外の自体が起こるのかということを知りたくてヒントになりそうな書籍ないかなーと思って探したのが買ったキッカケでした。
この書籍のテーマは「不確実性に向き合うにはどうしたら良いのか」という点です。
この書籍では分からないことは基本的に2つしかなくて、「未来のこと」と「他人のこと」が分からないと記されています。
なので、はやく動いて実験して、問題を出来るだけはやく発見することが大切であり、関係者と密にコミュニケーションを取って、お互いの状況や立場や、性格をしっかりと把握する必要があるということを痛感させられます。
「プロジェクトがいつも上手く行かず、コントロールが効かない」という方は、一度読むとたくさんの教訓が得られます
個人開発をはじめよう!クリエイター25人の実践エピソード
この書籍はもしかしたら、「技術書と言うよりも、開発者のエッセイ」という側面が強いかも知れませんが、単純に個人開発に向けたモチベーションが高まります。
技術者が個人開発でサービスを苦労して開発をしていって、完成して、リリースしてといった流れの中で紆余曲折があって喜んだり、つらい思いをしている姿が非常にエモいわけです。
個人開発をやっている人・これからやりたいという人にとって自分が進むべき羅針盤となるような一冊であると思います。
「自分も何かやってみよう」という気持ちになる素晴らしい書籍です。
最後に
ここまで15冊の素晴らしい技術書を紹介しました。
読者が今、キャリアのどこにいるのかは分からないし、タイミングによって響く、響かないの違いはあると思います。
しかし、長いエンジニア経験の中で、今回紹介した15冊の技術書たちに助けられる場面が出てくると思います。
楽しくて、自分で自分のキャリアをコントロール出来るエンジニアになるために、是非ともどれかは手にとってもらいたいと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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他にもスキルアップやキャリアアップの役に立つ情報が満載です。他の記事も読んで、ゆっくりしていってね!
エンジニアにおすすめの転職エージェント
もしも、今の仕事内容や年収に不満があり、今のキャリアに不満足なら、早いうちに立て直す必要があります。
立て直す方法はたくさんありますが、手っ取り早いのは「転職」です。
転職のお供として使いたいのが、転職エージェントです。
私が実際に使って、良いと思った転職エージェントは以下の通りです。
詳しい内容は以下の記事でも解説しています。
マジメにキャリアのことを考えるエンジニアは少ないです。だから、キャリアについてマジメに考えるだけで、一歩差ができます。年を取ってから後悔しても遅いです。
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